電動車椅子乗車拒否に見た認識のすれ違い

人間は自分のことほど、他人のことには詳しくないものです。
よく知らないことや、思い込みから来る認識のすれ違いは多くあります。

テレビでたまたま見たのですが、ある電動車椅子利用者が旅行で利用したいけれど、電動車椅子が乗れるかと相談したバス会社から「電動車いすの方の乗車は規則でご遠慮いただいています」という話がありました。

この方の相談を受けた第三者のバリアフリー建築の専門家がバス会社の担当者と話をしました。

第三者をはさんで話をするのは感情的な話にならないようにするためです。

話をした結果、バス会社の担当者がご遠慮いただきますと想定した電動車いすがシニア電動カートだと気づきました。

当然ながら、シニア電動カートは大きく、重量が110キロあるため、リフト付バスでも乗れません。

ところが、この利用者が使っている電動車椅子は重量が約28キロ以内に収まっているであろう、コンパクトなタイプでした。

専門家はさっそく「電動車いす」を見てもらうことにしました。

バス会社の担当者はコンパクトな電動車椅子の実物を目の前にして驚き、「知らなくて申し訳ない、穴があったら入りたい」と話しました。

もちろんこの電動車椅子利用者の乗車は認められました。

バス会社の担当者は規則に照らし合わせれば「正しい判断」でしたが、電動車椅子の実物がどういうものか、わからない、知らなかったのです。

このように自分では詳しく知っているつもりでも、規則の側で抜けていることがあったり、他人はよく知らないことが多くあります。

さらに批判されることは誰しもが嫌ですし、規則を守らなければ、クビになるかもしれない不安があれば、事を荒立てないように「規則を守らねば!」となると思います。

この問題は車椅子の全てがそうとはいいきれませんが、今起こっている「社会から抑圧されている」と感じる問題の大半がこのバス会社で電動車椅子を重量の大きなシニア電動カートと混同てしまったように知らない事から来る、思い込みと認識のすれちがいもあるのではないでしょうか。

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    難聴・聴覚障害のコミュニケーションと心理状態について、日本でも数少ない当事者の専門家。専門家でも難しい「難聴である自身の自己肯定感の低さ」などメンタル問題を頑張らないで解決できる技法をコーチしています。日本各地からセッションを受けに来る方も多数。手話も学習中。

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