難聴・聴覚障害の事実(はじめに)

Aさん、お待たせしました。

まず、Aさんがわたしに聴覚障害についてたずねることが失礼ではないかと書かれたことですが、大丈夫ですよ。
むしろよくたずねてくれました。本当にありがとうございます。

Aさんへの手紙
わたし前川修寛が行っている難聴メンタルコーチへの相談に、難聴やろう者運動にかかわっているAさんから相談をいただきました。

現状の難聴・ろう者運動について、なにかにつけて「差別」を言いだすなど、考え方が偏っているのではないかと、疑問に思っている節があるが、攻撃的に言われることもあり怖くて聞けないそうです。

実際にコミュニケーションができる人が少ない中、筋を通して、運動を冷静に見ている前川修寛(私)さんなら答えてくれるのではないかと質問してこられました。

実際は何度も繰り返す長いやりとりでしたが、多くの皆さんの気付きになるのではないかと、内容を紹介していきます。

なお、質問者が特定されないようにした上で、ホームページにすることの了解をいただき、趣旨を変えない範囲でわかりやすくするなど、修正を入れています。

確かに身体障害について聞いたら怒り出す人がいる、まさにその通りです。

わたしはぶしつけな話し方でない限り、丁寧に答えるようにしていますが、ネット上の掲示板などで聴覚障害に関して意見を書くと、他の当事者が自分が気に入らない意見に対して、否定的な話を延々と書いたり、私をやり込めようと人格まで攻撃してくる場合がありました。

自分のハンデをなかなか受け入れられないのは理解できますが、こうした攻撃的な反応はかえって受け入れられなくなり、社会の理解を遠ざけることになります。

昔、マスコミが身体障害者をテレビや映画など映像で写すと、いわゆる「人権屋」が内容にかかわらず「障害者を見世物にするな」「さらし者にするな」と大声で騒ぎ、抗議が殺到した結果、マスコミでも「聖人君子的な話」「美談」以外はタブーにされ、大きく報道できなくなった影響もあるかもしれません。

近年はNHK大阪放送局制作の「バリバラ?障害者情報バラエティー?」が障害をネタにする事を少しずつ開けています。私も時々楽しく見ていますが、どちらかというと目に見える事が主なので、目に見えない方面、精神世界の話はキワモノ扱いされがちで、まだ先になりそうです。

難聴・聴覚障害に関する話は一般の方にわかるように説明するのが難しいものがあります。なによりも当事者が難聴・聴覚障害はどういうものなのか、とくに難聴がそうですが、聴覚障害と難聴、聾(ろう)の違いについて、わかるよう説明できる人はそう多くないのが現実です。

結果として、「早くから訓練すれば、100%健聴者並になれる」「訓練すれば電話も100%できるようになれる」といった話があたかも全体であるかのように一人歩きしています。

そして、はるかに重大な「こころの問題」についてはわかるように説明ができない面もあります。これもマスコミがよく調べず、精神的な事を「非科学的」としたり、おもしろおかしく書いてきた話にわたし達が気付かず、踊らされてきた弊害ともいえます。

「なぜ?」かを知りたいという人は多いと思いますが、当事者の多くがわかるように説明できないことが大きな要因です。

さらにわかるような表現で書いている人はあまりいません。

この分野の話はとても大きいため、全てを書こうと思ったら分厚い本が1冊できるので、すべては書けませんが、わたしにわかる事をできるだけ伝えましょう。

では今回の「ろう文化」に関するご質問を一緒に考えていきましょう。

あくまでも私の視点から見た話ということで考えるための材料にしてください。

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    難聴・聴覚障害のコミュニケーションと心理状態について、日本でも数少ない当事者の専門家。専門家でも難しい「難聴である自身の自己肯定感の低さ」などメンタル問題を頑張らないで解決できる技法をコーチしています。日本各地からセッションを受けに来る方も多数。手話も学習中。

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